気になる会社員のあれこれを解説!

チャルディーニの法則とは?心理学を用いてビジネスを円滑に!

チャルディーニの法則とは?

チャルディーニの法則は、アメリカの社会心理学者ロバート・チャルディーニによって提唱された、人々が影響を受けやすい心理的傾向を示す法則のことを指します。

チャルディーニの法則には、以下の6つが挙げられます。

  1. 社会的証明:他の人が行っていることに従う傾向がある。
  2. 権威:権威ある人物や機関の意見に従う傾向がある。
  3. 希少性:入手困難なものに価値を見出す傾向がある。
  4. 一貫性:自分が以前にとった行動や意見に一貫して従いたいという傾向がある。
  5. 強制力:他人から命令された場合、従う傾向がある。
  6. 好意:好意的な態度を示されると、その人に好意的な態度を返したくなる傾向がある。

これらの法則を理解し、うまく利用することで、人々を説得することができるとされています。

ただし、悪用すると倫理的問題が生じることもあるため、注意が必要です。

社会的証明

社会的証明とは、他の人が行っていることに従う傾向がある心理的傾向のことを指します。
つまり、多くの人がある行動や意見をとっていると、それが正しい・適切であると認識されやすくなるということです。

【例】
新しいレストランに行く際、空いているレストランと混んでいるレストランがあった場合、混んでいるレストランに入る傾向があります。
これは、多くの人がそのレストランを選んでいるため、そのレストランがよいものであると感じられるためです。

このような心理的傾向は、情報が少ない状況下や不確かな状況下で特に顕著に現れます。
社会的証明は、マーケティングや広告などにも利用されることがあります。

【マーケティング例】
ある商品が「人気ランキング1位!」と宣伝されると、その商品が良いものであると感じられるため、その商品を購入する人が増える可能性があります。

ただし、社会的証明には偏見がある場合があります。
大衆の中には差別的な見解を持つ人がいる場合があるため、多くの人が差別的な行動や意見をとっているという状況が生まれることがあります。

このような場合、社会的証明に従うことが正しいとは限らないため、個人的な判断や考え方を持つことが重要です。

権威

権威とは、尊敬される人物や機関の意見に従う傾向がある心理的傾向のことを指します。
人々は、権威的な人物や専門家の意見を尊重し、その意見に従おうとする傾向があります。

【例】
医師が処方した薬や、政府機関が発表した公式情報に対して、
一般の人々はそれに従いやすくなります。

権威の影響力は、その権威的な人物や機関が信頼されているかどうかによって左右されます

【例】
偽医者や詐欺師が権威的な立場を装って、人々を騙すことがあるため、権威的な人物や機関を選ぶ際には、その信頼性を確認することが重要です。

権威は、マーケティングや広告でも利用されることがあります。

【マーケティング例】
ある製品を、有名人や専門家が推薦しているという情報がある場合、その製品に対する信頼性が高まり、製品の売り上げが増えることがあります。また、ある企業が社会的責任を果たしているという情報を発信し、専門家からの評価を得ることで、その企業が信頼できる企業であるというイメージを構築することができます。

権威による影響力は、個人の自由や判断力を奪うことがあるため、権力の濫用や権威主義的な傾向を生み出すことがあります

そのため、権威に従うことと個人的な判断力を持つことをバランスよく行うことが大切です。

希少性

希少性とは、ある商品やサービスが限られた数しか存在しない、または入手が困難なものを指します。
希少性は、人々がその商品やサービスに対してより高い価値を見出すようになるため、その商品やサービスの需要や価格を高めることができます。

希少性は、以下のような要因によって生まれます。

  • 限られた生産量:ある商品が生産される量が限られている場合、その商品は希少性が高くなります。例えば、高級腕時計や高級車は、生産量が少なく、入手が困難であるため、その価値が高まります。
  • 限定販売:ある商品が限定販売されている場合、その商品は希少性が高くなります。例えば、あるブランドの限定品や、ある期間限定で販売される商品は、希少性が高まり、その価値が高まることがあります。
  • 需要の高まり:ある商品に対する需要が急激に高まった場合、その商品は希少性が高まります。例えば、あるアーティストのコンサートチケットが瞬時に売り切れた場合、そのチケットは入手が困難になり、その価値が高まることがあります。

希少性も、マーケティングや広告でも利用されることがあります。

【マーケティング例】
ある商品が「限定販売」「数量限定」「期間限定」であるという情報がある場合、その商品に対する需要が高まり、その商品の売り上げが増えることがあります。

また、ある商品が希少性が高いという情報を発信することで、その商品の価値が高まり、消費者にとって魅力的な商品として認識されることがあります。

ただし、希少性が高いからといって、必ずしもその商品やサービスが高価格であるとは限りません。

希少性に加え、その商品やサービスの品質やブランド力、需要の高さなど、多くの要因が価格に影響を与えるためです。

一貫性

一貫性とは、人々が自分の考えや行動に一貫性を持とうとする傾向を指します。
つまり、人々は自分の言動や行動に矛盾が生じないように、一貫性を保とうとする傾向があるということです。
一貫性の原理は、人々が自分自身や周囲の人々から「認められたい」という欲求に基づいています。

【例】
ある人がある特定の政治的立場を持っている場合、その人はその立場に基づく行動や言動をとることで、周囲からの評価や認められる可能性が高まります。

一方で、その人が自分の考えや行動に矛盾が生じてしまうと、周囲からの評価や認められる可能性が低くなり、不安や不快感を感じることがあります。

マーケティングや広告においては、一貫性の原理を利用することがあります。

【マーケティング例】
あるブランドが自分たちの商品に対して高い評価を得ている場合、そのブランドは自分たちの商品に関する新たな情報を発信する際に、過去の評価と一致した情報を発信することで、自分たちの商品に対する評価を高めることができます。

また、あるキャンペーンを行う場合には、キャンペーンの趣旨や目的に沿った行動をとることで、そのキャンペーンに賛同した人々からの評価を高めることができます。

一貫性の原理は、人々の意思決定や行動に大きな影響を与えるため、マーケティングや広告のみならず、教育やコミュニケーション、社会的な変革のための啓発活動などにおいても重要な考え方となっています。

強制力

強制力とは、人々が何らかの行動を取る際に、外的な力や圧力によって強制されることを指します。

強制力は、人々が自発的に行動することが難しい状況において、行動を促進するために用いられる手法のひとつです。

強制力を用いることには、いくつかの方法があります。

例えば、法律や規則によってある行動を義務付けることが強制力のひとつです。
また、脅しや威圧、報酬や罰則、権威や地位、社会的な規範や期待などを用いることもあります。

これらの手法によって、人々が自分自身や周囲の人々からの評価や承認を得たいという欲求や、報酬や罰則を避けたいという欲求が刺激され、行動を促進することができます。

強制力は、社会的な変革や政策実施など、ある目的を達成するために必要な場合があります。

【例】
社会的な問題や犯罪を減らすためには、法律や規則によってある行動を義務付けたり、罰則を設けることが必要となります。また、ある企業が社会的責任を果たすために、法律や規則によって環境保護や社会貢献活動を義務付けることもあります。

一方で、強制力が過剰に用いられると、人々の自由や権利が侵害されることがあります。
また、強制力を用いることによって、人々の心理的な抵抗感が高まり、結果的に反感や不信感を生むこともあります。

そのため、強制力を用いる場合には、その妥当性や必要性、適切な強さや方法を慎重に考慮する必要があります。

好意

好意とは、他人に対して親切や思いやりを持つことや、他人に対してポジティブな感情を持つことを指します。

人は、自分自身や自分の所属する集団以外の他者に対しても、好意を持つことができます。
好意は、他者との間に信頼や共感を築き、人間関係を深めるために非常に重要です。

好意を引き出すためには、以下のような手法があります。

  1. 相手の名前を呼ぶ
  2. コミュニケーションを取る
  3. 誠実である
  4. 賞賛する・褒める
  5. 助ける

①相手の名前を呼ぶ
相手の名前を呼ぶことで、相手との関係性を強めることができます。
名前を呼ばれることで、相手は自分に関心を持ってくれていると感じるため、好意を抱きやすくなります。

②コミュニケーションを取る
相手とのコミュニケーションを取ることで、相手に自分を知ってもらい、信頼を築くことができます。
また、相手に対して積極的に関心を持ち、話を聞くことで、相手が自分に対して好意的な感情を持つことができます。

③誠実である
相手に対して誠実であることは、好意を引き出すために非常に重要です。
嘘をついたり、相手をだますような行為は、相手の信頼を失う原因となります。
相手に対して正直であり、信頼できる人物であることが、好意を引き出すために大切です。

④賞賛する・褒める
相手の良いところを見つけ、賞賛することで、相手は自分に対して好意的な感情を抱くことができます。
ただし、過剰な賞賛は、相手に媚びると思われることがあるため、適度な賞賛を心がける必要があります。

⑤助ける
相手に助けを求められたときには、積極的に手助けをすることで、相手は自分に対して好意的な感情を抱くことができます。
また、相手に自分から手助けを申し出ることで、相手は自分に対して好意的な感情を抱くことができます。

以上のような手法を用いることで、相手に対して好意的な感情を引き出すことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
チャルディーニの法則とは、人々が意思決定する際に働く6つの心理的原理を指す。
それは社会的証明、権威、希少性、一貫性、強制力、好意であり、これらの原理を理解することで、人々を説得しやすくなるというものです。

社内外問わず、信頼を勝ち取りさまざまなプロジェクトを円滑に進められるように意識してみてください。

ナレブロでは、新入社員、若手社員に向けたお役立ち情報を記載しておりますので、ぜひご覧ください。

最新情報をチェックしよう!